被爆樹とコカリナ
2020/09/09
これは被爆樹、原爆にあった木です。木の種類はエノキ。中国地方を中心に日本各地に見られる大木で、大きいモノは太さ1.5メートル、高さ30メートルにもなるそうです。
これは、昔、広島の陸軍病院の庭にあった大きな木で、この木の回りは入院している傷病兵や看護婦さん達の憩いの場になっていたそうです。
1945年、今から56年前、8月6日広島に落とされたたった一発の原子爆弾は広島の町を焼き尽くし一瞬にして25万人の人々の尊い命を奪いました。その恐ろしい原子爆弾の強い熱でこの木も体のほとんどを焼かれました。でもなんとか生き延びました。戦後、この木の近くにあった基町(もとまち)小学校の子ども達が木を励まし一生懸命育てて来ました。でも1984年、今から16年前、広島を襲った大きな台風でとうとう力つき倒れてしまいました。その倒れた幹を広島の高校生達が学校に保管してきました。そして1998年8月6日、広島でおこなれた黒坂黒太郎のコンサートの時、ステージに飾ってくれました。その後この木をコカリナにしようと言う話がもちあがり、この度完成しました。この木から8本のコカリナが誕生しました。
こんなに焼けてもなお生きようとし、美しい音を出す木に思いを寄せてみてください。そして原爆でなくなった人達に心を寄せてください。21世紀には決して核兵器など使われないように。
真ん中の焼けたところが原爆を浴びた部分、両側からその傷を一生懸命抱くように樹皮が成長しているのがわかると思います。